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MENU TOP プロジェクト内容 アンチ・ドーピングコラム ホームアンチ・ドーピングコラム3. 薬とドーピング:薬理学から見たドーピング 3. 薬とドーピング:薬理学から見たドーピング ドーピング行為では実際にどのような薬が使われて、どのような作用があるのでしょうか?アスリートは病気になっても薬を飲めないのでしょうか?今回は医師から薬についてお話しします。 医学部 浅井 聰  ドーピングとは「スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為」のことです。フェアプレーの精神、ルールに反する様々な競技能力を高める「方法」や、それらの行為を「隠すこと」も含めて、ドーピングと呼びます。今回は、禁止されている物質について考えてみたいと思います。 禁止物質は、世界アンチ・ドーピング規程の禁止表国際基準 (Prohibited List) に定められ、少なくとも毎年1月1日に更新されます。常に禁止されている物質、競技会の時だけ禁止される物質また、特定の競技において禁止されている物質などの分類があります。   ●スポーツサプリメント 近年、一般人も運動後や疲労回復を目的に、サプリメントを汎用しています。栄養補助食品の様な高い身体レベルを入手・維持運動能力の向上をより早く、より確実に達成する為のサプリメント(補助食品)を「スポーツサプリメント」といい、直接的にアスリートの運動能力に影響を与えるサプリメントはエルゴジェニックエイドと呼ばれている。 アスリートは身体を作る・機能させる栄養の必要量も一般人レベル以上となるので、例えばたんぱく質の摂取量にしても2~3倍、水溶性ビタミンやミネラル等、アスリート特有の状況(発汗により失われる)を考慮すると大量に必要となるのは自明です。   皆さんの身の回りで飲用されている運動機能に影響を与えるエルゴジェニックエイドのサプリメントには以下の様な物質があります。①瞬発力を高めるクレアチン、神経系統を刺激するカフェイン等。②分岐鎖アミノ酸(BCAA)=バリン、ロイシン、イソロイシン等の分岐鎖アミノ酸はトリプトファンの脳への急速な取り込みを抑え、中枢性疲労を防ぐ③L-カルニチン=長鎖脂肪酸のミトコンドリア内への輸送を促進し、長時間の有酸素性持久運動の後半における筋グリコーゲンを節約する。④アルギニンおよびリジン=アルギニンやリジンは必須アミノ酸で成長ホルモンやインスリンの分泌を刺激し、筋肉量を増加させる。⑤アスパラギン酸=遊離脂肪酸の利用を高め、筋グリコーゲンの利用を節約する。などがあり栄養補助食品などで市販されているものも多いと思います。   真のドーピングの精神・意味合いからすれば、運動能力の向上を実現させる為に、現状では非合法的な「ドーピング」も許容されていますが、基本的に生体に影響を及ぼす物質はすべて過剰摂取すれば有害作用、毒となる可能性があります。IOCのドーピング規定の「人工的かつ不正にスポーツ・パフォーマンスを向上させる目的で、ある物質を異常な量摂取する」に抵触する可能性については、適度な摂取をもって個人の倫理観やスポーツマンシップとの兼ね合いになりますが、違反となってしまっては元も子もありません。   ●禁止物質(薬物) 例えば、①エフェドリンはアンフェタミンに類似した化学構造を持つフェニルエチルアミンと呼ばれる物質で、裸子植物マオウ科のマオウ (麻黄) より単離されたアルカロイドです。交感神経を刺激し、気管支拡張、気管支痙攣(けいれん)による激しい咳(せき)をおさめる効能があるため市販の総合感冒薬のほとんど含まれています。また、エフェドリンが脳に働くとカフェインよりも勉強の効率を高めるということが示唆され、大量投与では精神を高揚させ、血流を増加させるため競技会時の能力向上の可能性があることから禁止物質となっています。②同様に、葛根湯など一部の漢方薬にはマオウ(麻黄)を含むものがあるのでエフェドリンが含まれていることになります。③胃腸薬の中には禁止物質の興奮剤ストリキニーネ(ホミカ)を含むものもあります。④強精剤の一部には禁止物質のメチルテストステロン(蛋白同化剤)が含まれています。海外で栄養補助食品として市販されているDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、アンドロステンジオンは禁止物質です。⑤鼻炎用薬、痔の薬には副腎皮質ステロイドを含むものも多くあります。同様に、塗り薬も同様です。   問題なのは、とはいってもアスリートも人間ですから、試合前に病気にかからないと言うことはありません。ハードなトレーニングや過激な減量はスポーツにはつきものですが、体に大きな負担をかけます。それによって免疫力が低下し風邪やそれに伴う頭痛、発熱、疲労感、など様々な症状が出ることがしばしばあります。免疫力の低下は、花粉症、喘息などもともと持っていた基礎疾患を悪化させることもあるでしょう。女性であれば生理不順や腹痛、頭痛などです。その際、うっかり飲んだ風邪薬や花粉症の薬、漢方薬、サプリメントにも禁止物質が入っていることがあるため注意が必要です。   薬を選択購入する際には、ドーピング対象薬検索や毎年アンチ・ドーピング使用可能薬リストが公表されていて、アンチ・ドーピングに関する専門知識を持つJADA公認の薬剤師、スポーツファーマシストに相談するようにしましょう、ということになっています。治療のためにどうしても禁止物質を使用しなければならない場合は、TUE(治療使用特例)をJADAなどのTUE委員会に申請し、承認を得る必要があります。 もう一つ、重要なのは、処方という意味です。処方は、医師が診断の結果くだす治療薬ですので、市販薬とは違い、疾患特異的で効能も明確化され、効果も絶大です。使用可能リストには、市販薬と処方薬が分けられていますが、直前に病気になった時、市販薬は買えても、処方薬は医師の処方箋がないと薬剤師も販売することはできません。日頃から持病や健康管理の相談など、チームドクターやかかりつけの医師と接し、不幸にして競技直前になって処方薬が必要となった時の対応も考慮に入れることが賢明です。   近代スポーツは、それがたとえ個人競技であっても、それをサポートするチームが完備していなければ高みには登れないことは周知の事実です。サポートチームの中で親切心から無知な知識で市販薬や健康食品、サプリメントを勧めてドーピング検査で失格にされたケースは枚挙に遑がありません。指導管理者は、競技者は当然ながら家族、チームスタッフに至るまでのアンチドーピングの啓蒙活動を行なっていく必要があるようです。HP、アンチドーピング講習会、専門薬剤師、医師などと連携を取り、多くの目で競技者をサポートする必要があると思います。 コラム一覧へ 1.序論:ドーピングのない社会を目指して:スポーツを愛する人に寄り添う薬剤師 2. アスリートとアンチ・ドーピング:アスリートとアンチドーピング 2. アスリートとアンチ・ドーピング:アンチ・ドーピングの現状~ウエイトリフティング競技を中心に~ 2. アスリートとアンチ・ドーピング:インクルーシブなアンチ・ドーピング 2. アスリートとアンチ・ドーピング:アンチ・ドーピングに向けてアスリート・アントラージュができること 2. アスリートとアンチ・ドーピング:日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科と「ドーピング論」 2. アスリートとアンチ・ドーピング:わが国における愛玩動物のスポーツおよび品評会におけるドーピング検査の現状 3. 薬とドーピング:薬理学から見たドーピング 3. 薬とドーピング:プラセボ反応とノセボ反応 3. 薬とドーピング:紀元前668年古代オリンピック競技祭優勝者における乾燥イチジクの利用 3. 薬とドーピング:あなたもまさかのドーピング陽性者!? 4. サプリメントとドーピング:健康食品やサプリメントの摂取による「うっかりドーピング」の危険性 4. サプリメントとドーピング:若手アスリートの医薬品・サプリメントの使用実態 4. サプリメントとドーピング:本当に必要?そのサプリメント ―競技者の食生活― 4. サプリメントとドーピング:植物ステロール分析と健康食品 4. サプリメントとドーピング:漢方薬、植物サプリメントとドーピング 5.スポーツ歯科とアンチ・ドーピング:スポーツ歯科の立場から考えるアンチドーピング 5.スポーツ歯科とアンチ・ドーピング:スポーツ歯科の歯科衛生士の取り組み 6. 生活習慣とアンチ・ドーピング:忙しい生活の合間にも運動習慣を 6. 生活習慣とアンチ・ドーピング:ドーピングと心身の健康 6. 生活習慣とアンチ・ドーピング:アスリートと腸内細菌 6. 生活習慣とアンチ・ドーピング:飽食による影響は次世代へ継承される!? ~アンチ・ドーピング教育の実践に向けて~ 7. ドーピングに対する検査技術:禁止物質の代謝とその血中濃度推移 7. ドーピングに対する検査技術:肉を食べたら「うっかり」して禁止薬物も摂取してしまった?〜ドーピング検査と薬物代謝〜 7. ドーピングに対する検査技術:薬物血中濃度解析用アプリを活用してドーピングを予防する 7. ドーピングに対する検査技術:遺伝子ドーピング 7. ドーピングに対する検査技術:アンチドーピングに対する遺伝子検査の役割 ▲ 関連リンク お問い合わせ ©2018 Nihon University

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